治し人~朴澤耳鼻咽喉科 朴澤院長 朴澤先生取材記 - アレルギーユニバーシティ
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治し人~朴澤耳鼻咽喉科 朴澤院長 朴澤先生取材記

今回は、仙台市の朴澤耳鼻咽喉科の朴澤 孝治院長先生にお話をお伺いました。

朴澤先生は、東北大学や米国ハーバード大学などで耳鼻咽喉科に関わる幅広い研究をされ、2011年に仙台市の定禅寺通りで開院されました。

患者さんを治すことが最も大切だというお考えのもと、現在では西洋医学に加えて漢方やホメオパシーなどの補完医療も取り入れた治療を行っていらっしゃいます。

疾患だけではなく、全身をみて患者さんに最も合った方法で治療されていることもあり、先生のもとには数多くの患者さんが足を運んでいるそうです。

インタビューでは、朴澤先生ご自身のことや耳鼻咽喉科の治療に関するお考えなどをお話いただきました。

医学部に入学されたきっかけについて教えてください。

医師であり耳鼻科医だった父の影響が大きいのですが、私は当初、耳鼻科医の道は考えていませんでした。そのため、最終的にどの診療科に進むのかについては迷いましたね。

現在の医学のトピックと言えば遺伝子ですが、30年近く前、私が卒業した頃は免疫や内分泌が新しい分野でした。やっと、免疫というものがどういうものかわかってきた頃でもありました。

そういうわけで内分泌に興味があったのですが、その頃は内科的治療が主体でしたので、外科医を目指していた自分には合っていないと感じ、内分泌は諦めました。

その次に、脳神経外科への道を考えました。今では様々な技術が整い、私たちが考えている間、脳のどの部分が反応しているのかわかるようになりましたが、当時は基礎的な実験手段が不十分で、研究を行う環境が整っていませんでした。

最終的に、外科系で、基礎研究がやりやすい、インプットとアウトプットがはっきりしている感覚器を扱う耳鼻咽喉科を選びました。

卒業後は、東北大学大学院の博士課程に進まれていますね。

卒業してすぐ大学院に入り、2年間、病理にいました。当時、免疫病理の分野でご高名だった京極教授のもとで、勉強させていただきました。

病理医の大切な仕事として、大学病院で亡くなった方の死因を突きとめる病理解剖があります。私が担当させていただいた中で、一番興味深かったのが、内分泌の異常で亡くなられたケースでした。今でこそ高血圧の原因として副腎腫瘍の有無を調べることは珍しくありませんが、当時は、内分泌学の創世記で、下垂体や副腎の異常によってホルモンバランスが崩れた事により、死に至った様々の症状が、すべて説明できることに感銘を受けました。

アレルギーに関わる研究は、その頃からされていらっしゃったのでしょうか。

そうですね。主に、Ⅲ型アレルギーについて研究していました。

アレルギーにはⅠ型からⅣ型まであります。そのうちⅢ型アレルギーは抗原抗体反応、つまり免疫複合体によって色々な病気が引き起こされます。本来であれば、体に異物が入ってきた時にそれを排除するように働く仕組みですが、上手く機能しない場合、Ⅲ型アレルギーが発症してしまうのです。

あの頃は、小学校入学前の3割ほどの子供が滲出性中耳炎にかかっていました。急性中耳炎とは異なり痛みはないのですが、中耳腔に水がたまってしまうので聞こえが悪くなってしまいます。

当時、この中耳炎がなぜ起こるのかが、わかっていませんでした。言葉や、コミュニケーションを学び始める子供の聞こえを悪化させる、滲出性中耳炎の発症メカニズムの研究に没頭しました。

急性中耳炎は細菌が感染して起こりますが、その後に死滅してしまった細菌の菌体成分に対する誤った免疫応答でIII型アレルギーが起こり、滲出性中耳炎が発症することが証明できました。更に、研究範囲を広げ、メニエール病もⅢ型アレルギーによって起こる可能性も、証明することができました。

30年経った今、そのころは臨床につながらなかった研究が、遅延型食物アレルギーの検査ができるようになったおかげで、実際に食物アレルギーによってメニエール病が起こる患者さんの治療が、ステロイドを使わずに行えるようになりました。当時の基礎研究が、こうやって形になり臨床的に使えていることが非常に嬉しいですね。

ハーバードに留学した時には、内耳にある自律神経の分布を世界で初めて明らかにすることができました。この自律神経の研究も、自律神経の機能検査ができるようになった今、実際の臨床症状とつながり、臨床応用ができるようになりました。研究から30年の時を経て、さらに興味深さを感じていますね。

耳鼻科医としてのご専門は、アレルギーになりますか?

耳鼻咽喉科は、鎖骨より上で、目と脳以外の器官を診る科です。

耳鼻咽喉科は結構、範囲が狭いと感じられるかもしれませんが、めまいや聴覚、癌、中耳炎やアレルギーなど実に様々な疾患を診ています。耳鼻科関係の学会だけでも20近くあります。

ほとんどの場合、耳鼻科医が所属している学会は3〜4ですが、私は目の前の患者さんの症状が治せないとその研究を始めてしまうので、多くの学会に所属しています。

癌やめまい、難聴やアレルギーにも取り組み、耳鼻科の学会の大部分で特別講演やシンポジウムを行っています。周りを見渡しても、そういう人はあまりいません。

敢えてそうしようと思ったのではなく、例えば、喉頭癌の患者さんがいた場合、ある人は放射線で治るのに対し、ある人は治らないということがあります。それはなぜだろうと思ってしまうのです。

放射線をかけると味覚を失い、喉もやけて患者さんは大変苦しみます。それでがんが消えればいいのですが、消えなければその副作用だけが残ってしまいます。もし、放射線をかける前に、その効果がわかれば、患者さんにとっては一番良いですよね。

研究の結果、ある遺伝子ががん細胞に発現している人は放射線が効くけれども、発現しない人には効きにくいことがわかりました。今は、乳がんでもホルモン剤が効くかどうかわかるようになりましたが、それと似ていますね。

ですから、私は元来、耳が専門なのですが、色々と研究した結果、今は専門は耳鼻咽喉科と言うことにしています。

先生は、患者さんを治すことに最大の主眼を置いていらっしゃるのですね。

そうですね。やはり、患者さんは何かしらの問題を抱えてクリニックにいらっしゃるので、その問題を解決し、病院に通わなくてもよい状態にもどしてあげられなければ医者ではないと思っています。

中には1、2回の通院で治る方もいますが、4回通って頂くまでには治そうという気持ちで取り組んでいます。

こちらの場所で開院された理由についてお聞かせください。

まず、定禅寺通りでという思いがありました。それは、伊達政宗が仙台藩を作る時に、ここを中心に結界を引いたということが最大の理由です。

伊達政宗は非常に優秀でした。大昔に、津波がきたことがわかっていたので、海沿いには街を作らず、現在の山沿いに街を作りました。しかも、結界を引いて、安全な町にしようとしたわけですね。

私もその結界の中心で、仙台の皆さんを守ろうという気持ちで診療にあたっています。

戦後から現在まで、疾患の種類が感染症からアレルギー、生活習慣病へと変化していますが、耳鼻科医から見た現在の疾患傾向はどのように感じられていますか?

感染症は減る一方で、特殊化してきています。代わりに、アレルギーやストレスによる慢性の病気が増えてきています。

昔は耳鼻科というと青い鼻を垂らしている子が多かったのですが、食生活が変化したこともあり、今はほとんどがアレルギー性鼻炎ですね。

先生は、最先端の医療をされている一方で、補完医療にも深い理解がありますよね。

治しマニアなので、患者さんが治ればいいという考えを持っています。治ったメカニズムがはっきりすれば自分としてはよりいいのですが、一番は患者さんが治ることですね。

先日、バルセロナで杉の花粉症に対するホメオパシーの体質改善について発表しました。

欧米では、スギ花粉症はないのですが、枯草熱という病気があります。ブタクサの花粉のアレルギーですが、杉の花粉よりも小さいため、より深く気管まで入り、喘息を引き起こすため、秋の喘息が非常に問題になっています。

この治療に、ホメオパシーを使って改善したという論文が一流誌のサイエンスに掲載されました。杉の花粉症にも効くのではないかということで試験を始めました。最初は、重症の花粉症のボランティア15人程度で始めたところ、効果が現れた人が結構いたこともあり、もう少し試験の規模を広げることにしました。

日本ホメオパシー医学会を通じて20施設、250人を対象に、一般の医薬品の有効性の試験と同様の二重盲検試験を行いました。症状はスコア化し、消費した抗アレルギー剤の量を記録すると、はっきりと有意差が出ました。

つまり、偽薬の場合はほぼ毎日、抗アレルギー剤を飲む必要があったのですが、ホメオパシーを使った方は、週に2、3回の服用のみでアレルギー症状をコントロールすることができていました。

それをさらに、1年2年と継続することで更に有効性が高まり、最終的には約8割の人は抗アレルギー剤を飲む必要がなくなりました。私は、花粉症は治る病気と考えています。

更に、腸内環境を整えてあげることでアレルギーというのは、本当はなくなっていくものと思っています。

重症化している患者さんにとっては、まさに福音ですよね。

杉の花粉が飛んでいる時期は、外出を控え、家の中でもマスクとゴーグルを外せない重症の患者様がいました。ホメオパシーで体質を改善し、今は、マスクもゴーグルも外して、外で深呼吸ができるようになりました。

日本人の4人に1人いるというスギ花粉症の患者さんには、症状を改善して、春にする深呼吸はこんなに気持ちいいということを感じて欲しいですね。

先生は統合メディカルケアセンター Tree of Lifeで、西洋医学を含めた自然治癒力を高める方法に取り組んでいらっしゃいますが、クリニックとの連携について教えてください。

4回の通院で、患者さんの問題を解決するのを目標にしています。西洋医学で治りそうであればそのまま進めますし、難しいようであれば手術をすることもあります。補完医療も、手術と同列です。

遅延型のⅢ型アレルギーがあれば食事指導をし、自律神経のバランスが崩れている場合にはそれを改善するヨガや呼吸法を指導します。ホルモンの欠乏があれば補充し、栄養不足があればサプリメントで補正します。腸内環境が悪ければ改善し、有害物質の蓄積があれば、デトックスします。

その患者さんにとって、最も良いと思う方法を取り入れています。

今後のビジョンについてお聞かせください。

7年前に比べると、私自身も進歩したと感じています。

かつては治せなかった病気が今は治療できるようになっていますし、スタッフの教育も進んできています。鍼灸師に勉強してもらった結果、私が期待するような治療ができるようになってきているので、さらにこれを推し進めていくという感じですね。

実際、治療としてどこまで取り組むかという部分も悩ましいところです。

治療に入院施設が必要になることもありますので、どこまでの範囲にするのかというところは1つの問題ですね。

先生の志や理念を他の人に伝えていって欲しいという思いもありますが、教育に関わっていく予定はないのでしょうか。

いずれ、自分として満足できる形が確立したら、教育も必要かなと感じています。

これからは人生100年時代です。今年生まれた子供達の半分は100歳まで生きることになります。その時、今までと同じような生活をしていては自分で自分の首を締めることになってしまいます。と同時に、今度は自分の子供に介護の負担を強いてしまい、子や孫がやりたいことを制限することにもつながります。

そう考えていくと今の生活を変える必要があります。保険診療もいずれ破綻することは目に見えているわけですが、その対策がジェネリック医薬品を使いましょうということでは違うのではないかと思っています。

病気に対する考え方自体を変えなくてはいけないでしょう。病気になってから治すのではなく、病気になる前に、悪い芽を摘む先制医療の考え方が大切です。

そのためには、遺伝子治療や再生医療など西洋医学を進めた医療に加えて、補完医療も含めた統合医療に取り組む必要があるのではないでしょうか。

ヒポクラテスは120歳まで生きましたが、彼が話していた「自分の中の自然治癒力を高める」という声をもっと聞くべきですね。

先生が考えるアレルギーになりにくい生活とは、どのようなものでしょうか。

免疫は、有害な異物が体内に入るのを防ぐための仕組みです。これが過剰に起こると、アレルギーになります。

アレルギーを起こさないためには、まず自分の体のバリアーである、皮膚、気道の粘膜、消化管の粘膜を正常に保つ必要があります。皮膚のケアをしたり、喫煙を避けたり、食事に気をつけ、腸内環境を保つことが基本です。子供さんに、抗生剤を頻回に使うと、腸内環境が乱れてしまうので、避けるべきです。虫歯など慢性の炎症は、早めに処置しなければいけません。

その上で、体外からの異物の刺激をご自分にとって適正にする必要があります。過度に清潔にしてもいけませんし、過剰な刺激もいけません。ご自分の生活環境や食生活を見直し、偏りが無いか注意しましょう。これは、赤ちゃんがお腹にいるお母さんの時から、考えなければいけないことです。

<まとめ>

これまでのご経験の素晴らしさに加えて、患者さんを治したいという思いがあるからこそ最も適した治療を提供することができているのだと感じたインタビューとなりました。

アレルギーで悩んでいらっしゃる方はたくさんいますが、病気だけをみるのではなく、生活習慣から変えていく必要があるとのこと。とても勉強になります。

朴澤先生、お忙しい中、貴重なお時間とお話を頂戴しありがとうございました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

<関連サイト>

朴澤耳鼻咽喉科

http://hozawa.jp

統合メディカルケアセンター Tree of Life

http://tree-of-life.jp

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