ゴホゴホと続くその咳。風邪ではなくアレルギーからくる過敏性肺炎かもしれません

ゴホゴホと乾いた咳や発熱は、一括りに風邪のせいだと思っていませんか?もしかするとそれは、アレルギーによる過敏性肺炎かもしれません。

過敏性肺炎とは?

肺炎と聞くと高齢者が多くかかる、細菌やウイルスが原因というイメージを持たれていることでしょう。しかし、この過敏性肺炎というのは細菌やウイルスが原因ではなく、空気中に浮遊しているカビや化学物質、ペットなどの動物性タンパク質が原因となって引き起こされる病気です。

例えば、一年を通して冷暖房機として広く使われているエアコンは、「トリコスポロン」というカビが発生しやすいことで知られています。この白カビはおよそ3μmほど。もちろん、私たちの目には見えず花粉よりも小さいため、気管支や肺の奥まで到達しやすいという特徴を持っています。さらに、ホコリや私たちのフケやアカを好みますので、室内でさらに増殖して過敏性肺炎を引き起こしてしまいます。

過敏性肺炎にはカビによって起こるほか、鳥を飼っている場合やキノコを栽培している方々にもみられますが、現在の日本において過敏性肺炎の7割が夏季に発症し、カビを原因とした夏型過敏性肺炎だと言われています。

症状は?

過敏性肺炎は、乾いた咳や発熱といった風邪によく似た症状のため「なんだか、風邪が長引いているな」と感じる事もあるかもしれませんが、自宅や職場にいつ間だけ体調が悪くなり、そこから離れると良くなるのが過敏性肺炎の大きな特徴です。

過敏性肺炎とエアコンの関係

過敏性肺炎を引き起こす抗原として、動物性タンパク質や化学物質等があるとお話ししましたが、近年、注目されているのがエアコンとの関係です。

一年中、エアコンを活用しているという家庭や職場が多いかと思いますが、“つけっ放しにして換気もしていない”“定期的な掃除を行っていない”といった場合、エアコン内部で発生したカビは空気中に巻き散らかされてしまいますので、滞在時間が長いほど抗原に暴露されやすい状態となってしまうのです。

近年の機密性の高いマンションもそれを後押ししていますし、エアコン以外にもカビの発生しやすい水回りは要注意です。洗濯機の中や下に見えるホコリやカビ、キッチン周りも定期的に掃除しましょう。

治療について

最も大切なのは、アレルギーを引き起こしている抗原を取り除くことです。場合によっては、ステロイド薬や入院をすることもありますが、抗原がなくならなければまた元の状態に戻ってしまいます。

具体的には、カビが繁殖しやすいエアコンや洗濯槽、台所や浴室の掃除を怠らない、暑いからといって閉め切ったままにせず、必ず換気する時間を設けるようにしましょう。

日頃の心がけ次第で防ぐことができる過敏性肺炎。ご自身やご家族の健康のために一手間かけてみませんか?

<参考サイト>

過敏性肺炎|一般社団法人日本呼吸器学会

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