気付かないうちにあなたも被害者に〜香害の実態とは〜

皆さんは、「香害」について知っていますか?

初めて聞いたという方も、そうでない方も。近年、日本で広がりつつある香害は人ごとではありません。いつでも誰でも、その被害者になる可能性を秘めているのです。

香害って何だろう

洗剤や柔軟剤、制汗剤や除菌消臭スプレーなど人工的に作られた香料によって、めまいや息苦しさといった体調不良を引き起こす香害は、近年の日本において急速に広がりつつあり、その被害者は1000万人にも上ると言われています。

私たちが森や海へ行ったとき、自然から発せられる様々な匂いは日々のストレスから解放し、リラックスさせてくれるものです。

しかし、日常を振り返ってみてください。私たちの生活の中には化学物質によって人工的に作られた匂いがとても多く、柔軟剤に至っては香料が含まれないものを探すほうが難しいほどです。

香りが強い柔軟剤は、一見すると汗など嫌な匂いを解消してくれるので良い印象を抱きがちです。でも、その香料の正体は化学物質。巷に溢れている香料によって苦しんでいる方も少なくありません。

香害の拡大が浮き彫りとなった香害110番

それを裏付けるかのように、2017年の夏、日本消費者連盟が期間限定で「香害110番」を実施、香りに関する被害を訴える方の電話相談を行いました。

結果的に200件以上の相談が寄せられ、その多くが柔軟剤を使った洗濯物についてのものでしたが、香害の被害は他の製品にも拡大しつつあります。

また、香害の被害にさらされ続け、日常生活に支障をきたしているケースも見受けられ、実際に、隣人の制汗剤の匂いに悩まされマクスが手放せない、お隣さんから流れてくる柔軟剤の匂いで咳がおさまらないという声も多く寄せられています。

また、化学物質を浴び続ける生活が繰り返されることで、化学物質過敏症を引き起こすこともあります。化学物質過敏症になると、頭痛やめまいのほか、目がチカチカしたり咳が止まらないなど全身に様々な症状が現れてきます。

その症状の程度は個人差が大きいのですが、少しでも緩和させるためには身の回りの化学物質を除去し、部屋の換気をこまめにするなど化学物質自体の取り込む量を減らすことが大前提です。さらに、汗をかくなどして体内に蓄積された化学物質を排出することが必要となってきます。症状が強くなった場合は、医療機関を受診して治療を行うことも視野に入れましょう。

私たちは、自然な匂いについて過剰に気にしすぎてはいないでしょうか。それを気にしすぎて、カラダに悪影響のある化学物質でマスクするというのはあまりにもナンセンスです。

本来であれば、夕方に食事の支度をしている時間帯や、他人の家を訪れた時、街中を歩いた時や個人の体臭などもっと生活が感じられるような匂いに触れていたはずです。

しかし、近頃は自宅でも仕事先でも香りをまとっていることが良いことだという風潮になってきています。それに加えて、柔軟剤以外でも食品や化粧品なども香料付きのものが当たり前となってきました。

香りによって体調に異変をきたす前に、過剰な匂いへの意識や化学物質でできた香料に頼らない生活を見直してみてはいかがでしょうか?

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