2018年7月に健康増進法の一部を改正する法律が成立し、2020年には全面施工になる予定となっています。この法律では、屋外や屋内での喫煙が制限されるほか、20歳未満が喫煙エリアへ立ち入ることを禁止しています。
さらに、受動喫煙対策を行う事業者に対して助成を行うなど、これまで以上に自治体も含め、タバコに対しての風当たりが強くなってきています。
健康被害は喫煙者にとどまらない
たばこが引き起こす健康被害については、喫煙者自らが被害を受ける能動喫煙、そして、本人はたばこを吸わないけれども、周囲の喫煙者から発生する副流煙による受動喫煙、さらに、喫煙した部屋や衣服に付着しているたばこの残留物質によって影響を受ける三次喫煙(または、残留受動喫煙)があります。
能動喫煙と受動喫煙では、受ける健康被害の種類はほぼ等しいとされています。たばこには、200種類を超える有害物質が含まれていますが、その中には発がん性物質も多数あるため、肺がんをはじめとした様々な癌や、血管収縮作用による心疾患が引き起こされます。また、妊娠時の喫煙は酸素不足を招き、流産や早産のリスクを高めてしまいます。
さらには、善玉コレステロールが減少して動脈硬化を起こす、疲れやすくなってしまうなどの報告もされています。
しかし、たばこの害の怖いところは受動喫煙による副流煙の方が、何倍も有害物質を含んでいるという点です。副流煙にはPM2.5よりもさらに小さい粒子となった有害物質が含まれているため、知らず知らずのうちに肺の奥まで入り込んでしまいます。そのため、もはや、たばこによる影響は喫煙者本人だけの問題ではなく、一緒に生活している家族や職場の仲間にも広く及んでいるのです。
アレルギーがあるなら、喫煙はNG
もし、自分や家族や大切な人にアレルギーや喘息症状があるなら、今すぐ禁煙しましょう。なぜなら、たばこの煙にはそれらを増長させる成分が含まれているからです。
特に、小さい子供や高齢者の場合は、副流煙によって喘息やアレルギー発症の原因となりますし、もともと喘息症状を持っている人であれば、肺機能の急激な低下を招いてしまいます。
さらに、意外と知られていないのですがアレルギーとたばこの関係は、その場にいない三次喫煙者にも影響します。
たばこを吸わない人であれば、喫煙できる部屋を訪れたり、喫煙者のそばにいると煙の匂いに気付くことがあると思いますが、これは部屋の壁や椅子、喫煙者の服に付着したたばこの成分によるものです。時間が経つと、再び空気中に成分が浮遊してしまうため、喫煙の場にいたわけではないのにアレルギー症状を引き起こしてしまうことがあるのです。
たばこは百害あって一利なし。まさに、周囲も巻き込んで悪影響を及ぼしてしまいます。歩きタバコやポイ捨てなどマナー違反の喫煙はもちろんのこと、様々な疾患やアレルギーを引き起こさないために、今一度たばこについて考えて見てはいかがでしょうか。
<参考サイト>
たばこの害(函館五稜郭病院)
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