ちょうど10年ほど前に、某せっけんを使ったことによる小麦アレルギーの発症が世間を騒がせていましたが、皆さんは覚えていますでしょうか?
この時は、せっけんに含まれている加水分解コムギが原因でしたが、私たちが普段使っている化粧品においてもアレルギー発症は決して珍しいことではありません。
女性にとって身だしなみの一つとも言える化粧は、社会生活を送る上では必要不可欠なものです。しかし、化粧品によっては肌が赤くなったりブツブツが出てしまうなどの症状が出てくることがあるので、初めて使用する製品には注意が必要です。
化粧品でかぶれるのはなぜ?
実は、化粧品でかぶれるのには二つの原因があります。その一つが、アレルギーです。
私たちの体は、免疫という仕組みによって、体内に侵入したウイルスや細菌などの異物を攻撃して健康を保っているのですが、これらの物質だけではなく、食べ物など体にとって害がないものに対して過剰に免疫機能が働いてしまうことがあります。
細菌も含めて、攻撃対象となる物質は抗原と呼びますが、その中でもアレルギー発症の原因となる物質はアレルゲンと言われ、その範囲は多岐に渡ります。
先ほど例にあげた食物や花粉は代表的なものですが、金属やハウスダストもアレルゲンとしてよく知られた存在です。化粧品には様々な成分が含まれていますから、その中の成分によってアレルギーが引き起こされていることがあるのです。
また、化粧品によるかぶれのもう一つの原因は、刺激によるものです。
刺激によるかぶれは接触皮膚炎とも言われ、その名の通り、皮膚に触れた刺激によって炎症が引き起こされます。
接触皮膚炎で特徴的なことは、その時の肌の状態によって影響度が異なるということです。例えば、冬は暖房器具も使いますし、屋外も空気が乾燥していてカラカラです。このような時は、皮膚の潤いがなくなってバリア機能が低下するので、より刺激を受けやすい状態になります。そうなると、ベールに守られていない肌はかぶれやすく、症状も出やすくなっています。
さらに、刺激の程度によっても状況は異なります。ピリ辛の食べ物は美味しく感じても唐辛子いっぱいの刺激は苦痛でしかないように、接触皮膚炎も刺激が強くなればそれだけ発症頻度は高まっていきます。
どのように対処したらいいのでしょうか?
使っている、又はこれから使おうとする化粧品が自分に合っているかどうかを調べるには、パッチテストが有効です。よく、お酒が飲める体質かどうか調べるためにアルコールパッチテストが使われますが、化粧品でも同じように検査をすることができます。
方法は簡単で、化粧品を皮膚につけてからテープや絆創膏で覆い、2日間様子をみます。ここで痒みや赤みが見られるようであれば、化粧品に含まれている成分が疑わしいと言えます。
また、いつも使っている化粧品なのに急にかぶれるようになってしまったという人もいるのですが、知らないうちに化粧品がリニューアルされていることもあります。その場合には、メーカーに問い合わせてみるのもいいでしょう。
化粧品による肌荒れは未然に防ぐことができればそれに越したことはありませんが、症状が辛く赤みや痒み、発疹が続くようであれば我慢せずに早めに皮膚科受診することをお勧めします。
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